Lindström Group、ナルコ ウォーターと提携してインドでの真水使用量を削減
ナルコ ウォーターは2022年、インド、チェンナイにある Lindström Group のランドリー工場にて、先進ろ過技術プロジェクトを立ち上げました。Lindström は、わずか 1 年余りで工場用水の 74% を回収し、チェンナイでの真水の総使用量を 56% 削減しました。
最大の地下水利用国であるインドは、世界で最も水不足に陥っている国のひとつです。
インド 13ヵ所にある Lindström Group のランドリーでは、耐薬品性や衛生面など、守るべき安全品質と基準に従って、さまざまな業種で使用される何千キロものユニフォームや作業着を毎日洗濯しています。アジアにおける Lindström Group の水消費量の 45% が、作業着とクリーンルームサービスに使用されています。
Lindström Group では何十年もの間、責任をもって確実に排水を処理するために、いくつかの方法でランドリーの水使用量を最適化してきました。インドの水資源が驚くべき速さで減少しているなか、同グループは、洗濯 1 キログラムあたりの水使用量を可能な限り少なくする取り組みを継続的に拡大しようとしています。
再生水使用率 55% を目指す
環境の保全、サステナビリティの確保、水不足の緩和、そして現在と未来の世代の利益のために世界的な水の公平性を保つには、水を節約することが不可欠です。 ナルコ ウォーターの 先進ろ過技術プロジェクトの目的は 2 つあります:ひとつは地域の水不足に対応すること、そしてもう一つは水の持続可能性への世界的な取り組みに貢献することです。
プロジェクト開始にあたり、ナルコ ウォーターはその成果を測るための具体的な目標と主要業績評価指標(KPI)を設定しました:
- Lindström Group は、逆浸透プロセスから 75% の水を回収することを目標に設定し、13ヵ月以内に 74% 達成することに成功。
- Lindström Group は、ランドリー工程で少なくとも 55% の再生水を使用することを目標に設定し、9.2 リットル/kg から 4.1 リットル/kg へと、56% 達成することに成功。
- Lindström Group は、洗浄工程における真水の消費量を 44% に制限。
こうした目標を達成するため、Lindström Group は、チェンナイの半自動排水処理・逆浸透(RO)工場に投資しました。
洗濯の質を落とすことなく水の消費量を削減
ナルコ ウォーターの協力の下、Lindström Group は持続可能な水管理に取り組みました。「Lindström のサステナビリティ、イノベーション、そして循環経済に関する取り組みは、同社の『We Care(気遣い)の文化』とともに、エコラボが目標とする『Protecting what's vital(大切なものを守る)』と、当社のサステナビリティ戦略『人々と地球、そしてビジネスの健全性を世界中で促進』に即しており、結果として両社のお客様の成功を支援することができます」と、ナルコ ウォーター・インド・のライトビジネス担当責任者、Murli Iyer(ムルリ・アイヤー)は、両社共通の価値観を強調しつつ述べています。
ナルコ ウォーターが全面的に運営するこの水リサイクル工場では、洗濯用洗剤に特殊な化学薬品を使用し、洗濯の質を落とすことなく水の消費量を削減しています。両社とも厳格な安全衛生規則を遵守しているため、プロジェクト全体を通じて事故やインシデントは発生していません。
「ナルコが管理する排水処理工場は、指定された割合の水を効果的にリサイクルしており、それによって真水資源への依存を大幅に減らしています。さらに、環境に排出される処理水は地域の法令遵守基準を満たしており、当社の環境に対する責任への取り組みを反映しています」と、Lindström アジアのプロセス・スペシャリスト、Nikhil Shirsat(ニヒル・シルサット)は話します。
Lindström は、日次および月次の定期的な報告を受け、毎月行われるミーティングにより進捗状況を確認し、改善点を特定しています。またプロジェクト開始 6ヵ月後に、第 2 ステージで重点的に取り組む点についても話し合いました。
「Lindström のサステナビリティ、イノベーション、そして循環経済に関する取り組みは、同社の『We Care(気遣い)の文化』とともに、エコラボが目標とする『Protecting what's vital(大切なものを守る)』に即しています」
- Murli Iyer(ムルリ・アイヤー)
ナルコ ウォーター・インド、ライトビジネス担当責任者
大幅な節水を試みつつ洗浄品質を向上
Lindström は、ナルコ ウォーターの 先進ろ過技術 プロジェクトにより、合計 3 億 3,000 万リットル、つまり、オリンピックのスイミングプール 132 個相当の水を節約するという、素晴らしい結果を目の当たりにしました。この取り組みにより、1 日当たりの水消費量に換算すると、250 万人分の水の需要を補うことができます。
Lindström はまた、より良い水質を確保することで洗濯の質を高め、洗濯コストを削減し、衣類のライフサイクルを延ばしました。 この 先進ろ過技術 プロジェクトは、同社のイノベーションとサステナビリティへの取り組みを示すものであり、他の企業がこれに倣って積極的な節水活動を行うためのベンチマークとなります。
「Lindström は、他の企業が同社のように、時代を先取りする取り組みに挑む土台を築いています。インドだけでなく、世界中で真水使用に関する規制はますます厳しくなっており、企業は水の使用量を突然減らさなければならない状況に陥る可能性があります」と、ナルコ ウォーター・インドの南部担当マネージャー、Gowtham Raj(ゴッサム・ラージ)は述べます。エコラボ・インドのインスティチューショナル事業部、トレーニングマネジャーの Raghu Harihar(ラグ・ハリハール)もまた、「Lindström が当社と協力して、このような取り組みをを率先して行うのは素晴らしいことです。当社が目指すのは、問題が発生する前にそれを予測できる業界のソートリーダーとなることです」と語っています。
Lindström では将来的に、工場に完全自動化システムを導入し、人的エラーを最小限に抑えながら、効率と一貫性をさらに高めていく予定です。また同社は、この RO システムをインドやアジア全域の他のランドリーにも拡大することで、真水資源への負担を減らし、より持続可能で費用対効果の高いサービスを提供することを目指しています。
Lindström は、次のステップとして、ナルコ ウォーターの人工知能(AI)主導の分析プラットフォーム、ECOLAB3D™ を活用し、分析とアルゴリズムの利用を進め、パフォーマンスをさらに向上させることで、水のリサイクルにおいてさらに優れた結果を達成することを計画しています。
水の節約や天然資源の使用の最適化など、エコラボのサステナビリティへの取り組みについての詳細をご覧ください。
「当社ではすでに、ランドリーで水を再利用するシステムを導入していますが、真水の使用量を削減するために、さらに水のリサイクルを推し進めたいと考えました。」
- Venkataraj Anantharaman Laguduva(ヴェンカタラージ・アナンタラマン・ラグドゥヴァ)
Lindström Group、アジア地域継続サービス担当責任者