NXP Semiconductor が冷却水用の 3D TRASAR™ 技術で年間 720 万ガロンを節水
背景
NXP Semiconductor は、MEMS、マイクロコントローラ、無線周波数トランシーバ、増幅器の大手メーカーです。同社のテキサス州オースティン施設では、工場にプロセス冷却水を供給する冷却装置を支える、セントラルユーティリティ設備に冷却塔を備えています。NXP も多くの半導体メーカー同様、環境と現地コミュニティに対する強力な取り組みを進めています。
同工場の最大の課題は、ユーティリティ支援機能を損なうことなく水の使用量と排水量を削減する方法を見つけることでした。
いちばん明白な方法は、工場の処理水をユーティリティセンターの冷却塔用の水に再利用するというものです。しかし、この方法は再利用する工場の処理水を汚染から守ることができる場合のみ可能になります。そのような汚染源には、リン酸、フッ化物、硫酸塩、塩化物、アンモニア、シリカ、また冷却水システム内の腐食や微生物、スケールの発生のリスクを高める自然発生の硬化組織(カルシウムやマグネシウム)などが挙げられます。それらのリスクを制御し、関連する機械、化学、運用の各面を最適化するには、導入しやすい水処理プログラムがカギになります。
ソリューション
NXP の担当者との綿密な話し合いの結果、ナルコ ウォーターのチームは再生水を得る流れをしっかりと把握しました。ナルコ ウォーターはそれを踏まえ、冷却水用 3D TRASAR 技術プログラムを提案しました。これは、マイクロエレクトロニクスの工場に柔軟な制御性能をもたらす 3 つの主要な革新技術を採用したものです。
- リアルタイムの腐食監視および制御
- これまでのポリリン酸塩スケールや腐食防止剤を超える化学の力
- ストレスの変動にリアルタイムで対応する化学プログラムを可能にするタグ付き・インサート蛍光ポリマー
3D TRASAR プログラムに加え、NXP とナルコ ウォーターは自動化システムの完全なオーバーホールを含むプロセスもどうにゅうしました。
化学薬品供給および保管システム
ナルコ ウォーター PORTA-FEED™ システムは、NXP の人員によるドラム缶の取り扱いを減らし、現場における化学品のドラム缶の数をおおhに削減しました。
新しい薬剤処理プログラムの自動化
冷却水用 3D TRASAR 技術プログラムに関わる機器が占める面積は、NXP の以前の化学的抑制自動化・供給システムに比べて格段に小さくなりました。この省スペース設計が、工場内の該当エリアをよりすっきりした空間にしてます。
結果
3D TRASAR プログラムへの移行後、腐食率は 93% 減となり、リアルタイムの腐食データが得られるようになりました。
3D TRASAR プログラムには、エコラボ グローバル インテリジェンス センター (EGIC) によるサポートが含まれます。サポートには、パフォーマンス傾向の監視、アラームの確認、24 時間のトラブルシューティングシステムなどがあります。EGIC は現地のナルコ ウォーター担当者または工場スタッフに連絡し、問題が悪化しないうちに修正を行うよう伝達します。
さまざまな水質に対応する 3D TRASAR プログラムの能力により、工場は冷却塔の凝縮サイクルを 7 から 15 へ高めることができました。また、このプログラムにより NXP は再生水をさらに多く使用することができます。
都市用水の消費量が年間 720 万ガロン (27,250 m3) 削減され、23,680 ドルの節約になりました。
吐出流は年間 850 万ガロン (32,180 m3) 減となり、さらに $47,185 の節約を叶えました。
プログラム運営の労働力も最適化された結果、$30,000 の節約となり、オペレーションスタッフはより価値のあるタスクに集中して取り組めるようになりました。総合的なプログラム費用も年間 14,000 ドル削減されました。最後に、プロジェクトは予算以下の費用で予定より早く進み、節約目標も上回りました。
総合すると、3D TRASAR 冷却水プログラムは年間 114,865 ドルという大きな利益もたらしています。
年間節約額
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水
720 万ガロン*年間の都市用水使用量を削減
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廃棄物
850 万ガロン*年間の排水量を削減
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生産性
年間 $30,000*オペレーション作業の最適化の効果
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コスト
年間 $14,000*プログラムコストの削減
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もたらされた価値の合計:
年間 USD $114,865
*クライアントによって提供されたデータ