Ecolab Lerma Mexico Plant Employees

エコラボのレルマ工場(メキシコ)がウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定

アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)基準のケーススタディ
2021年11月発行 | 2024年1月16日改訂

背景

メキシコのメキシコシティ近郊、レルマに位置するエコラボの製造工場は、水処理ソリューションと製品を主に製造するブレンド工場です。レルマ工場は、工場で使用する水をバジェ・デ・トルカ帯水層から引いています。排水は、外部業者の排水処理施設で処理され、最終的にレルマ川に放出されます。

製造施設全体の水管理について総合的なアプローチを推し進めるエコラボの取り組みに則して、エコラボのレルマ工場は2022年、アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)国際水基準のコア認定を取得しました。 

背景

エコラボのレルマ工場チームは、水資源への影響を全社で生産単位あたり 40% 削減し、リスクの高い施設では絶対取水量の 50% 以上を再利用するというエコラボの 2030 年インパクト目標の達成に向け、同施設を評価し、事業全体で水の使用量を削減する余地があるか検討しました。これらの企業目標に沿って、各地域のチームでは、2018年から2030年まで、生産量 1 トン当たりの年間取水量を毎年平均 3% 削減することを目標に掲げました。

その結果、水を削減できそうな部分は、雨水の回収、トイレの改装、復水の回収、そして逆浸透など、水の循環性を向上させるプロジェクトであることが分かりました。こうしたチャンスに優先順位を付けるには、コーポレート・サステナビリティ部門とレルマにおけるエンジニアリングおよび安全衛生環境チーム全体の協力が必要でした。

共通する水問題と、施設固有の水問題を特定するために、エコラボ・スマート・ウォーター・ナビゲーターから得られた洞察を活用し、総合的なリスク評価が実施されました。取水量削減プロジェクトの実施は、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響に基づいて優先されました。5 つの AWS 基準の成果のうち、レルマ工場は、施設への関連性とリスクのバランスを考慮し、水収支の持続可能性および良好な水質状況に焦点を当てました。

年間節約額

  • Water eROI icon


    858,000

    ガロンの水を削減
    (3,250m3)

  • もたらされた価値の合計:

    $12,800
    リスク調整後のコスト削減額(USD) 

地域の水域の全体的な健全性を向上させる目的で、また、エコラボの2030年インパクト目標の一環として、当社は事業を展開するハイリスクな水域で AWS 認証取得を優先しています。

AWS Certification Plant Imagery

年間合計 95 万ガロン(3,250 立方メートル)の水を削減。リスク調整後のコスト削減額 $12,800 に相当

ソリューション

以下のプロジェクトは施設の水バランスの改善に役立つものであり、全体的な水の使用量を削減するために完了しています。

  • 緊急用スプリンクラーシステムに使用する雨水の回収システムの導入
  • 高効率なバス・トイレ設備の導入
  • 復水回収システムの設置
  • 処理設備の洗浄工程の最適化
  • 脱イオン水システムの効率改善
  • ボイラシステム自動化の強化

今後の強化策として、以下のプロジェクトが検討されています。

  • ボイラ運転を継続的に最適化
  • 雨水回収システムの拡大
  • 排水循環プロジェクト
  • 復水回収最適化を拡大
  • 復水回収プロセスを工場内の他のエリアにも拡大
  • 冷却塔の監視と最適化 

こうした取り組みにより、レルマ工場は、前年比で水強度を 3% 削減するという目標に向けて着実に前進しています。

Ecolab’s Lerma, Mexico Plant Map

パフォーマンス

水のポジティブ・インパクト | 年間合計 858,000 ガロン(3,250 立方メートル)の水を削減。これは製品 1 トンあたりの水使用量を2018年の基準値から 24% 削減したのと同等

経済効果 | リスク調整後のコスト削減額は $12,800 USD

Water intensity and water withdrawal progress from 2018-2022 at Lerma plant. 35% reduction of withdrawal and 24% reduction of water intensity from 2018 baseline, achieving better than 2022 target.

水管理

工場レベルでは、メンテナンス責任者は、排水の検査、水消費の管理と水関連のプロジェクトを担当しています。工場における安全、衛生および環境担当マネジャーは、水関係のコンプライアンスを担当し、品質管理部門は取水の水質管理を担当しています。

取水の水質を良好に維持するため、工場内では水質検査を毎日実施するほか、外部業者による排水検査も毎年行われています。排水検査は外部の処理施設で実施され、毎月報告を受けています。流出や水関連の問題が発生した場合、同工場には問題に対するしっかりした対応計画があり、最初の事故の根本原因の分析、経営陣によるレビュー、内部報告プラットフォームでの文書化、月例の工場会議における緩和策についての話し合いなどが含まれます。昨年は工場における水関連の違反はありませんでした。

会社で最上級のビジネスリーダーと部門責任者で構成されるサステナビリティ・エグゼクティブ・アドバイザリー・チームが、サステナビリティ・チームを指揮するとともにアドバイスを提供します。さらに、エコラボのウォーター・スチュワードシップのポジション安全衛生環境(SHE)のポジションは一般に公開されており、水関連の問題やコンプライアンスに対するエコラボの取り組みおよびガイダンスの役割を果たします。ウォーター・スチュワードシップを推進するエコラボの立場は、責任あるウォーター・スチュワードシップに対するエコラボの世界的な取り組みを正式に表しており、ビジネスやコミュニティ、そして環境にメリットをもたらす方法で水資源を使用する機会を、エコラボとそのお客様に示しています。エコラボの SHE ポジションは、グローバルな事業活動における、安全衛生環境に関する優れた実践とパフォーマンスへのエコラボのコミットメントを示すものです。

ウォーター・スチュワードシップのこれまでの経緯

工場内オペレーションの改善に加え、エコラボのレルマ工場外でのウォーター・スチュワードシップ活動は継続して行われています。工場、そして関連する地域の利害関係者に共通する課題としては、水不足、水質などが挙げられます。こうした共通の課題に対処するため、エコラボは流域内の他の水利用者と連携し、周囲の流域の関係者とともに AWS 認定に向けた活動を進めています。エコラボは、レルマ川の水質を改善するコミュニティプロジェクトである H2O レルマと提携しています。このプロジェクトを通して、工場では、浄水フィルターを作るために使用される卵の殻を収集しています。さらに、水に関わる重要なエリアの健全性に貢献するため、エコラボのレルマ工場とクアウティトラン・イスカリ工場から 100 名のボランティアが、ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシー(TNC)および ProNatura と協力し、2019年にメキシコシティのサン・アンドレス・トトルテペックに 2,000 本の木を植えました。

2022年には、クアウティトランとレルマの施設から 90 名を超えるボランティアが、メキシコ州ウイスキルカンのピエドラ・グランデで、低所得世帯のために移動式貯水タンクを設置する活動に参加しました。この貯水タンクは、人の飲食や、動物や食糧の生産に使用する水を貯え、ろ過することができます。このボランティア活動は、20 軒の家庭と 200 人を超える人々の支援につながります。

地域のウォーター・スチュワードシップの取り組みに加え、エコラボのグローバル寄付プログラム「ソリューション・フォー・ライフ」は、TNC およびプロジェクト WET 財団という 2 つの世界的な NGO とのパートナーシップを通じて、淡水を保全・保護する当社の使命を着実に果たしています。

このケーススタディは、AWS の指標 5.1.1、5.2.1、5.3.1. 5.4.1、5.4.2、5.5.1、5.5.2、5.5.3 に準拠して作成されています。詳細については、sustainability@ecolab.com までお問い合わせください。


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