エコラボ グリーンズボロ工場
ウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定
2024年10月発行
見識
エコラボは、水関連ソリューションおよびサービスのグローバルリーダーとして、スマートな水管理、保全、スチュワードシップを通じて、安定して水を確保できる未来づくりに取り組んでいます。当社は以下を実践しながら、2030年までに、水に関わるネット・ポジティブ・インパクトを引き続き実現していく予定です。
- 運営施設における水の削減、リサイクル、補給。当社は、2018年を基準として、水資源への影響を全社で生産単位あたり 40% 削減することを目標としています。
- リスクの高い施設で絶対取水量の 50% 以上を再利用することで、地域の水域を保護する。
- 高リスク水域のエコラボ製造施設でアライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS) の水準を満たし、AWS 認証を取得することで成果を達成する。
ノースカロライナ州グリーンズボロに位置するエコラボの製造施設は、主に工業用の洗浄・除菌化学製品を製造するブレンド工場です。グリーンズボロ施設はグリーンズボロ市から供給される水を使用していますが、その水はタウンゼント湖、ブラント湖、ヒギンズ湖の 3 か所から調達しています。このように 3 つの湖から得た水は、ミッチェル水処理施設およびタウンゼント水処理施設 2つの地元水処理施設で処理された後、同市に送られ、その後エコラボのグリーンズボロ施設に供給されます。グリーンズボロの施設から排出される水は現場で中和された後、T.Z. オズボーン水再生施設に送られます。その後、水再生施設からサウスバッファロークリークに排出され、最終的に北大西洋に流れ込みます。
グリーンズボロの施設は、AWS 認証の取得、工場におけるスマートな水管理アプローチの強化、革新技術の導入といった水をめぐる全社的な目標推進のための優先的拠点に指定されました。
活動
企業規模の水に関する目標達成に向けて、現地のチームは、2018年から2030年にかけて、生産量 1 トン当たりの年間使用量を 40% 削減することを目標に掲げました。
同施設の水バランスの改善に向けて、全体的な水使用量を削減するために、以下のプロジェクトを実践しています:
- 水流に関するインテリジェンスの導入:ECOLAB3D™ を活用し、施設全体で高度な水量計測・監視を実施
- 水使用量の多いエリアにタイマー付き自動バルブを設置
- 押出機の洗浄を最適化し、自動洗浄時間を短縮
- コンベアに自動バルブを設置し、水使用量を削減
成果
こうした取り組みの結果、グリーンズボロの施設では水の使用量を大幅に削減することができました。工場における改善は、工場の操業効率アップとエコラボのサステナビリティ目標達成に向けた有意義な一歩となったことが実証されました。
注目のソリューション
Ecolab Solutions を活用することで、グリーンズボロの施設における水使用量の削減、再利用、リサイクルを実現。
地域の水域の全体的な健全性を向上させる目的で、また、2030年ポジティブインパクト達成に向けたエコラボの取り組みの一環として、当社は事業を展開する高リスクな水域で AWS 認証取得を優先しています。
ウォーター・スチュワードシップのこれまでの経緯
エコラボは、自社施設でのサステナブルな水使用に加え、地域レベルで他の企業と協力する取り組みを進めています。製造施設全体で水管理への包括的アプローチを実践するエコラボの取り組みに沿って、当社ではノースカロライナ州グリーンズボロの施設において、アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)バージョン 2.0 国際規格のコア認証の取得を目指しています。
周辺地域における共通の水問題を特定するため、エコラボのスマート・ウォーター・ナビゲーター、世界資源研究所(WRI)の Aqueduct Atlas から得られた知見を活用した総合的なリスク評価が実施され、共通の水問題と施設レベルの水問題を特定しました。水使用量削減プロジェクトは、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響を鑑みつつ、優先順位付けされました。
エコラボのウォーター・スチュワードシップによるアプローチは、自社の業務内だけでなく、当社が事業を展開する地域内における水問題にポジティブな影響をもたらすことを目標としています。グリーンズボロの施設および地元の利害関係者が抱える水に関する主な課題には、堆積物、栄養塩類といった汚染物質による水質への懸念、水需要の増加による水不足、生息地の消失・分断化・汚染と侵略的外来種による生物多様性の減少、気候変動、都市化、老朽化したインフラによる洪水の発生などがあります。
こうした問題に効果的に対処するために、積極的なウォーター・スチュワードシップ・アプローチに取り組むことで、持続可能な敷地内での水収支と水質の継続的な改善に努めています。当社の包括的なアプローチには、重要な水関連エリアと水、除菌、衛生(WASH)への重点的な取り組みが含まれており、これらすべての重要分野で当社が継続的に進歩していくには、積極的な水管理が欠かせません。
エコラボ・スマート・ウォーター・ナビゲーターを使って AWS の 5 項目の進捗状況を数値化すると、グリーンズボロの施設は、水成熟度曲線で「ウォータースマート」 となります。水成熟度曲線は、施設の水戦略および管理計画の状態を数値化して図に表したものです。曲線上に示された施設の位置は、水管理と戦略、目標設定、水管理の実践、ウォーター・スチュワードシップを含む一定の基準によって決定されます。この基準には、AWS フレームワークの 5 つの目標に沿った原則が盛り込まれており、どちらも、確実な水管理を行うためには施設のオペレーションの内外において継続的な改善と連携が必要なことが強調されています。
サステナブルな
水質バランス
ネット・ポジティブ・ウォーター
当社の事業における持続可能な水収支とスマートな水管理へのアプローチは、地域ごとの水に関わるネット・ポジティブ・インパクトを実現するための重要な要素です。これらの企業目標に沿って、各地域のチームでは、2018年から2030年にかけて、施設における生産量 1 トン当たりの年間水使用量を毎年 40% 削減することを目標に掲げました。エコラボのグリーンズボロ施設のチームは、2030年ポジティブ・インパクト目標達成に向けて、すべてのオペレーションで水使用量を削減できる機会を定期的に評価しています。水使用量削減プロジェクトの実施は、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響に基づいて優先順位が決定されました。
水質
水質へのアプローチ
工業用水と排水の水質を良好に維持するため、許可要件に従って、6~12ヵ月ごとに排水検査を実施しています。雨水は、四半期ごとに解析的分析と目視検査を実施しています。さらに同施設では、漏れ防止・コントロールおよび対策(SPCC)に沿って、施設が稼働している間は、作業員が日常的にドラム缶やバルク貯蔵タンクを非公式に検査しています。石油貯蔵コンテナを含む施設の正式な検査は毎月実施されます。
水管理
水管理のアプローチ
工場では、安全衛生環境(SHE)部門が排水コンプライアンスを担当し、SHE マネジャー がその責任者を務め、工場管理者が最終責任を負います。規制の最新情報や排水コンプライアンスに関するお問い合わせは、エコラボの環境責任者までご連絡ください。施設の水関連のコンプライアンス情報は、ご要望に応じて入手可能です。これには、施設において将来的なインシデントの発生を防ぐために必要な是正措置も含まれます。
さらに、エコラボの CDP 水セキュリティレポートでは、違反やそれに関する是正措置も開示しています。
全社レベルでは、最上級のビジネスリーダーと部門責任者で構成されるサステナビリティ・エグゼクティブ・アドバイザリー・チーム(SEAT)が、サステナビリティ・チームを指導するとともにアドバイスを提供します。加えて、エコラボのサステナビリティ、ウォーター・スチュワードシップおよび安全衛生環境(SHE)に対する見解は、一般公開されており、水に関する問題やコンプライアンスへの取り組み、またガイダンスの役割を果たします。エコラボの サステナビリティに対する見解は、社内でのエコラボのグローバルなサステナビリティに関する取り組み、およびお客様への影響を具体化するものです。エコラボのウォーター・スチュワードシップに関する見解は、企業として、またお客様が水資源を事業、コミュニティ、そして自然に良い方法で利用することで、責任あるウォーター・スチュワードシップに対するエコラボのグローバルな取り組みを強化します。エコラボの SHE ポジションでは、グローバルな事業活動で安全衛生環境において優れた活動とパフォーマンスを実現するためのエコラボの取り組みを示しています。
重要な水関連エリア
水、除菌、衛生(WASH)
共同の取り組み
社内の業務改善に加え、エコラボのグリーンズボロ施設は、外部でのウォーター・スチュワードシップ活動も継続的に行っています。工場および関連する地元の利害関係者が抱える共通の課題には、堆積物、栄養塩類といった汚染物質による水質への懸念、水需要の増加による水不足、生息地の消失・分断化・汚染と侵略的外来種による生物多様性の減少、気候変動、都市化、老朽化したインフラによる洪水の発生などがあります。こうした共通の課題に対処するため、グリーンズボロ施設は、利害関係者への働きかけを通じて地域社会とのパートナーシップを構築し、当該流域における他の水利用者との協力を模索しています。
グリーンズボロ施設のエコラボ従業員は、引き続き地域社会での共同活動に携わっていきます。グリーンズボロ施設のチームメンバーは2024年、28 時間以上をボランティア活動に費やし、Conservation Foundation、Pinecroft Sedgefield Fire District Inc、Out of the Garden Project、General Green Elementary などの組織を支援しました。この活動では、市民および地域の発展、STEM 分野の青少年教育、そして地域の水資源にプラスの影響を与える環境保全活動に重点的に取り組みました。
地域でのウォーター・スチュワードシップの取り組みに加え、エコラボの世界的なチャリティプログラムである「ソリューション・フォーライフ」では、淡水を保全・保護するという当社の使命を、TNC や Project Wet 財団とのパートナーシップやその他のプロジェクトを通じて着実に進めています。
このケーススタディは、AWS の指標 5.1.1、5.2.1、5.3.1、5.4.1、5.4.2、5.5.1、5.5.2、5.5.3 に準拠して作成されています。当施設の AWS 活動に関する詳細は、ご要望に応じて入手可能です。 詳細は sustainability@ecolab.com までお問い合わせください。