エコラボのプネー工場(インド)
ウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定
2024年12月発行
見識
エコラボは、水関連ソリューションおよびサービスのグローバルリーダーとして、スマートな水管理、保全、スチュワードシップを通じて、安定して水を確保できる未来づくりに取り組んでいます。当社は以下を実践しながら、2030年までに、水に関わるネット・ポジティブ・インパクトを引き続き実現していく予定です。
- 運営施設における水の削減、リサイクル、補給。当社は、2018年を基準として、水資源への影響を全社で生産単位あたり 40% 削減することを目標としています。
- リスクの高い施設で絶対取水量の 50% 以上を再利用することで、地域の水域を保護する。
- 高リスク水域のエコラボ製造施設でアライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS) の水準を満たし、AWS 認証を取得することで成果を達成する。
インドのプネーにあるエコラボの製造施設は、こうした目標達成に大きく貢献しています。エコラボのプネー施設では主に、マハラシュトラ帯水層につながる掘削井戸から水を引く水道事業者、Poonam Water から供給される水を利用しています。処理水からの排水は敷地内で処理・リサイクルされ、ガーデニングや水洗用に再利用されます。家庭排水は敷地内の浸透槽に送られ、そこからろ過層を通って土壌に浸透します。
プネー施設は、AWS 認証の取得、施設におけるスマートな水管理アプローチの強化、革新技術の導入といった水をめぐる全社的な目標推進のための優先的拠点に指定されました。
活動
企業規模の水に関する目標達成に向けて、現地のチームは、2018年から2030年にかけて、生産量 1 トン当たりの年間使用量を 40% 削減することを目標に掲げました。
施設の水バランスの改善に向けて以下のプロジェクトを立ち上げ、全体的な水使用量を削減するために実践しています。
- 再生時における化学品と水の消費量を低減するよう、脱塩水システムを最適化。
- 取水量を減らすよう、雨水収集システムを導入。
- 排水処理水を、造園、トイレ洗浄、スクラバーに再利用。
成果
プネー施設における改善は、同施設の操業効率アップとエコラボのサステナビリティ目標達成に向けた一歩となりました。注目のソリューション
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サステナブルな
エコラボ・スマート・ウォーター・ナビゲーター
水質バランス
地域の水域の全体的な健全性を向上させる目的で、また、2030年ポジティブインパクト達成に向けたエコラボの取り組みの一環として、当社は事業を展開する高リスクな水域で AWS 認証取得を優先しています。
ウォーター・スチュワードシップのこれまでの経緯
エコラボは、自社施設でのサステナブルな水使用に加え、地域レベルで他の企業と協力する取り組みを進めています。エコラボは、製造施設全体の水管理における包括的なアプローチへの取り組みに沿い、インドのプネー製造施設にて、アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)バージョン 2.0 国際水基準のコア認定取得を目指しています。
マハラシュトラ帯水層およびムーラ川流域における共通の水問題を特定するため、エコラボのスマート・ウォーター・ナビゲーターと世界資源研究所(WRI)の Aqueduct Atlas の知見を活用して総合的なリスク評価を実施しました。水使用量削減プロジェクトは、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響を鑑みつつ、優先順位付けされました。
エコラボのウォーター・スチュワードシップによるアプローチは、自社の業務内だけでなく、当社が事業を展開する地域内における水問題にポジティブな影響をもたらすことを目標としています。 プネー施設と地域の利害関係者にとって、水に関する最大の課題は水質であり、下水や産業廃棄物、農業排水や都市流出水、不十分な水処理インフラ、季節変動などによる汚染の影響を受ける可能性があります。
こうした問題に効果的に対処するために、エコラボではウォーター・スチュワードシップ・アプローチに積極的に取り組むことで、持続可能な敷地内での水収支 と水質の継続的な改善に努めています。当社の包括的なアプローチには、重要な水関連エリアと水、除菌、衛生(WASH)への重点的な取り組みが含まれており、これらすべての重要分野で継続的に前進していくには、積極的な水管理がカギとなります。
サステナブルな
水質バランス
ネット・ポジティブ・ウォーター
当社事業における持続可能な水収支とスマートな水管理へのアプローチは、全社的な水に関わるネット・ポジティブ・インパクトを実現するための重要な要素です。これらの企業目標に沿って、各地域のチームでは、2018年から2030年にかけて、施設における生産量 1 トン当たりの年間水使用量を毎年 40% 削減することを目標に掲げました。エコラボのプネー施設のチームは、2030年ポジティブ・インパクト目標達成に向けて、すべてのオペレーションで水使用量を削減できる機会を評価しました。水使用量削減プロジェクトの実施は、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響に基づいて優先順位が決定されました。
水質
水質へのアプローチ
水質を良好に維持するため、プネー施設では取り入れられる水は毎日検査され、pH と伝導率を評価しています。外部のラボによる排水分析は、月一回の頻度で行われます。飲料水については、毎年外部で分析を行っています。
各施設では、雨水と排水を放出する前に、排水を目視で検査してテストを行い、地域の環境要件、許可限度、または会社の基準を満たしていることを確認する必要があります。地域の環境要件や許可制限がない場合に、隣接する水路へ雨水を排出したり、都市下水路へ排水を放出する際は、会社の基準を満たす必要があります。同施設には、流出や水関連の問題が発生した場合における万全な対応計画が用意されており、最初の事故の根本原因の分析、内部報告プラットフォームでの文書化、緩和策についての話し合いなどが行われます。現場における水関連のコンプライアンスに関する情報は、ご要望に応じて提供可能です。
水管理
水管理のアプローチ
工場レベルでは、信頼性チームのリーダーが排水コンプライアンスを担当し、工場管理者が最終責任を負います。規制の最新情報や排水コンプライアンスに関するお問い合わせは、エコラボの環境責任者までご連絡ください。さらに、信頼性チームのリーダーは、エコラボの内部グローバルサプライチェーン環境方針に従って、水監視要件および適用される外部の規制に対して責任を負います。規制の最新情報や排水コンプライアンスに関するお問い合わせは、エコラボの環境責任者までご連絡ください。施設の水関連のコンプライアンス情報は、ご要望に応じて入手可能です。これには、施設において将来的なインシデントの発生を防ぐために必要な是正措置も含まれます。
会社の最上級ビジネスリーダーと部門責任者で構成されるサステナビリティ・エグゼクティブ・アドバイザリー・チーム(SEAT)が、本社サステナビリティ・チームを指導するとともにアドバイスを提供します。加えて、エコラボのサステナビリティ、ウォーター・スチュワードシップおよび安全衛生環境(SHE)に対する見解は、一般公開されており、水に関する問題やコンプライアンスへの取り組み、またガイダンスの役割を果たします。エコラボの サステナビリティに対する見解は、社内でのエコラボのグローバルなサステナビリティに関する取り組み、およびお客様への影響を具体化するものです。エコラボのウォーター・スチュワードシップに関する見解は、企業として、またお客様が水資源を事業、コミュニティ、そして自然に良い方法で利用することで、責任あるウォーター・スチュワードシップに対するエコラボのグローバルな取り組みを強化します。エコラボの SHE ポジションでは、グローバルな事業活動において、安全衛生環境に関する優れた活動とパフォーマンスを実現するためのエコラボの取り組みについて説明しています。
重要な水関連エリア
水、除菌、衛生(WASH)
共同の取り組み
エコラボ プネー施設では、社内の業務改善に加え、外部でのウォーター・スチュワードシップ活動も継続的に進めています。プネー施設と地域の該当する利害関係者にとって、水に関する最大の課題は水質であり、下水や産業廃棄物、農業排水や都市流出水、不十分な水処理インフラ、季節変動などによる汚染の影響を受ける可能性があります。こうした課題に対処するため、エコラボは、流域内の他の水利使用者と連携しています。
エコラボは2024年に SayTrees Environmental Trust および CLEAN International と提携し、インドのプネーにあるクリシュナ盆地で湖再生プロジェクトを実施しました。プロジェクトの目的は、プネー近郊のコディット・クルド湖とラウト・コーリ湖を再生することで、地域社会の水の安全性を強化し、貯水量、地下水浸透量を増やすことです。これは、水の安全性の向上、湖の回復、地下水涵養に向けた地域的な取り組みの一環です。このプロジェクトには、湖そのものの水質強化のほか、エコラボの従業員と地域住民が湖の周囲に草木を植えるコミュニティ プロジェクトも含まれています。
地域のウォーター・スチュワードシップの取り組みに加え、エコラボのグローバル寄付プログラム 「ソリューション・フォー・ライフ」は、TNC およびプロジェクト WET 財団とのパートナーシップやその他のプロジェクトを通して、淡水を保全・保護する当社の使命を着実に果たしています。
このケーススタディは、AWS の指標 5.1.1、5.2.1、5.3.1. 5.4.1、5.4.2、5.5.1、5.5.2、5.5.3 に準拠して作成されています。詳細については、sustainability@ecolab.com までお問い合わせください。