ルイジアナ州ガリービルのエコラボ施設がウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定

エコラボのルイジアナ州ガリービル工場

アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)のケーススタディ
2019年2月発行 | 2025年9月更新

見識

エコラボは、水関連ソリューションおよびサービスのグローバルリーダーとして、スマートな水管理、保全、スチュワードシップを通じて、安定して水を確保できる未来づくりに取り組んでいます。当社は以下を実践しながら、2030年までに、水に関わるネット・ポジティブ・インパクトを引き続き実現していく予定です。

  • 運営施設における水の削減、リサイクル、補給。当社は、2018年を基準として、水資源への影響を全社で生産単位あたり 40% 削減することを目標としています。
  • リスクの高い施設で絶対取水量の 50% 以上を再利用することで、地域の水域を保護する。
  • 高リスク水域のエコラボ製造施設でアライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS) の水準を満たし、AWS 認証を取得することで成果を達成する。

ルイジアナ州ガリービルにあるエコラボ製造施設は、こうした目標達成に大きく貢献しています。ガリービルの施設は、水処理用化学混合物とポリマーを主に製造する化学工場です。エコラボのガリービル施設は、米国最大の水域の一部であるミシシッピ川流域に位置しています。工業用水はミシシッピ川から直接取水し、工場内で処理されます。飲料水の調達に関して、当施設はセント・ジョン・ザ・バプティスト教区からの水に依存しており、セント・ジョン・ザ・バプティスト教区はライオンズ水処理プラントから取水しています。この水処理施設もまた、ミシシッピ川を取水源としています。

ガリービル施設は、AWS 認証の取得、工場におけるスマートな水管理アプローチの強化、革新技術の導入といった、水をめぐるエコラボの全社的な目標推進のための優先的拠点に指定されました。

活動

企業規模の水に関する目標達成に向けて、現地のチームは、2018年から2030年にかけて、生産量 1 トン当たりの年間使用量を 40% 削減することを目標に掲げました。施設の水バランスの改善に向けて以下のプロジェクトを立ち上げ、全体的な水使用量を削減するために実践しています。

  • 工場による河川水の取水量を削減するため、複数のサンドフィルター逆洗システムを再利用
  • 水使用量削減の取り組みにより、ラテックス塗布エリアの洗浄を削減 
  • 鉄道車両と反応槽の洗浄時間を標準化することで、全体的な水使用量を削減
  • 脱イオン水装置の再生から使用済み腐食剤を回収
  • 無水小便器を含むトイレの改装により、飲料水の使用量を削減
  • 冷却塔の置き換え
  • ポンプシールフラッシュの交換とポンプシールポットの設置
  • 蒸気凝縮物をボイラに戻して再利用

成果

工場における改善は、工場の操業効率アップとエコラボのサステナビリティ目標達成に向けた有意義な一歩となったことが実証されました。

注目のソリューション

エコラボのソリューションとデジタル技術を活用することで、ガリービル製造施設において水使用量の削減、再利用、リサイクルを実現。

AWS Certification Plant Imagery


地域の水域の全体的な衛生状態を向上させるため、また、2030年のポジティブインパクト達成に向けたエコラボの取り組みの一環として、当社は事業を展開する高リスクな水域で AWS 認証取得を優先して進めています。

Water Governance Icon

健全な水の
ガバナンス

Sustainable Water Icon

サステナブルな
水質バランス

Quality Water Icon

健全な水の
水質状況

Water Related Areas Icon

重要な水関連分野

Safe Water Icon

水、除菌、衛生
(Water, Sanitation, Hygiene: WASH)

ウォーター・スチュワードシップのこれまでの経緯

エコラボは、自社施設でのサステナブルな水使用に加え、地域レベルで他の企業と協力する取り組みを進めています。エコラボは、製造施設全体の水管理における包括的なアプローチへの取り組みに則して、2018年にガリービル施設において、アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ (AWS) バージョン 2.0 国際水基準のコア認定を取得しました。当施設では、コア認定を維持するために、AWS の要件に関する最新情報を常に把握しています。

ミシシッピ川流域における共通の水問題を特定するため、エコラボのスマート・ウォーター・ナビゲーター世界資源研究所(WRI)の Aqueduct Atlas の知見を活用して総合的なリスク評価を実施し、共通の水問題と施設レベルでの水問題を明らかにしました。水使用量削減プロジェクトは、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響を鑑みつつ、優先順位付けされました。

エコラボのウォーター・スチュワードシップによるアプローチは、自社の業務内だけでなく、当社が事業を展開する地域における水問題にポジティブな影響をもたらすことを目指しています。ガリービルの施設と地元の利害関係者は、水に関するいくつかの課題に直面しています。これには、高潮や降雨によるポンチャートレイン湖からの洪水、メキシコ湾岸からのハリケーンなどの自然災害、インフラに影響する氷点下の天候が含まれます。重金属汚染物質、農薬、材料の不適切な廃棄により、水質汚染が懸念されています。水、石油、天然ガス、鉱物の抽出により地盤沈下の問題も発生します。さらに、土地開発や汚染による湿地や種の喪失、水インフラの問題、不適切な格納による化学物質の流出なども懸念されています。

こうした課題に効果的に対処するため、エコラボはウォーター・スチュワードシップ・アプローチに積極的に取り組むことで、持続可能な施設内での水収支水質の継続的な改善に努めています。当社の包括的なアプローチには、重要な水関連分野 (IWRA)水、除菌、衛生 (WASH) への重点的な取り組みが含まれており、これらすべての重要分野で当社が継続的に進歩していくには、積極的な水管理が欠かせません。

エコラボ・スマート・ウォーター・ナビゲーターを使って AWS の 5 項目の進捗状況を数値化すると、ガリービルの施設は、水成熟度曲線で「ウォータースマート」 となります。水成熟度曲線は、施設の水戦略および管理計画の状態を数値化して図に表したものです。曲線上に示された施設の位置は、水管理と戦略、目標設定、水管理の実践、ウォーター・スチュワードシップを含む一定の基準によって決定されます。この基準には、AWS の枠組みの 5 つの成果に沿った原則が組み込まれており、どちらも、強力な水管理には、継続的な改善と施設の運営の内外での協力関係が含まれることが強調されています。

エコラボのスマート・ウォーター・ナビゲーターの詳細エコラボのウォーター・スチュワードシップに対するアプローチの詳細
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サステナブルな
水質バランス

ネット・ポジティブ・ウォーター

当社の事業における持続可能な水収支とスマートな水管理へのアプローチは、地域ごとの水に関わるネット・ポジティブ・インパクトを実現するための重要な要素です。これらの企業目標に沿って、各地域のチームでは、2018年から2030年にかけて、施設における生産量 1 トン当たりの年間水使用量を毎年 40% 削減することを目標に掲げました。エコラボのガリービル施設のチームは、2030年のポジティブ・インパクト目標達成に向けて、事業全体で水の使用量を削減する余地があるかどうか施設を評価しました。水使用量削減プロジェクトの実施は、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響に基づいて優先順位が決定されました。

Quality Water Icon

水質

水質へのアプローチ

工場用水と排水の水質を良好に維持するため、工場内で水質検査を毎日実施するほか、ゲリービルの排水許可に準拠するよう外部業者によって排水を毎週検査しています。同工場では、厳密な検査計画と詳細な環境流出の緊急対応計画を用意しており、これらは AWS 標準の導入によりさらに強化されています。水はミシシッピ川に直接排出されるため、良好な水質状態を達成する取り組みは、ガリービル施設の集水域で大半の IWRA の状態を健全に保つ上で役立ちます。

Water Governance Icon

水管理

水管理のアプローチ

工場レベルでは、安全・衛生・環境(SHE)部門(SHE マネジャーや SHE スペシャリストの役職を含むが、これらに限定されない)が、公共事業効率プログラムと環境規制に対するコンプライアンスを統括する最終責任者を務めています。規制の最新情報や排水コンプライアンスに関するお問い合わせは、エコラボの環境責任者までご連絡ください。施設の水関連のコンプライアンス情報は、ご要望に応じて入手可能です。これには、施設において将来的なインシデントの発生を防ぐために必要な是正措置も含まれます。さらに、エコラボの CDP レポートでは、違反および関連する是正措置を開示しています。 

会社の最上級ビジネスリーダーと部門責任者で構成されるサステナビリティ・エグゼクティブ・アドバイザリー・チーム(SEAT)が、本社サステナビリティ・チームを指導するとともにアドバイスを提供します。また、エコラボのサステナビリティウォーター・スチュワードシップおよび安全衛生・環境(SHE)に対する見解は公開されており、水関連の問題とコンプライアンスに対するエコラボの取り組みおよびガイダンスの役割を果たしています。    エコラボのサステナビリティに対する見解は、社内でのサステナビリティに関するグローバルな取り組み、およびお客様への影響を具体化するものです。  エコラボのウォーター・スチュワードシップに関する見解は、事業やコミュニティ、自然のためになる水資源の使い方を自社とお客様に対して確認するなど、責任あるウォーター・スチュワードシップへのエコラボのグローバルな取り組みを強化するものです。  エコラボの SHE ポジションでは、グローバルな事業活動で安全衛生環境において優れた活動とパフォーマンスを実現するためのエコラボの取り組みを示しています。

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重要な水関連エリア(IWRA)

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水、除菌、衛生(WASH)


共同の取り組み

工場内における操業上の改善策に加え、エコラボのガリービル施設の外部ウォーター・スチュワードシップ活動も継続して行っています。工場および関連する地元の利害関係者の間における共通の課題には、洪水、自然災害、水質汚染、地盤沈下の問題、湿地や湿地生物種の喪失、水インフラの問題、化学物質の流出などがあります。こうした共通の課題に対処するため、エコラボは流域内の他の水利用者とも連携しています。

エコラボは以前、水に関する問題について地域の企業や地域住民を含む地元の利害関係者と関わるコミュニティ アクション パネル(CAP)に参加しました。共通の問題に対処するため、エコラボは流域内の他の利用者と継続的に力を合わせ、AWS のこれまでの道のりを共有し、AWS 基準の成果の領域 5 つにおける慣行についてフィードバックを求めています。

エコラボ財団は、ミシシッピ州ウィルキンソンのリーベン湖氾濫原再建プロジェクトを支援しています。このプロジェクトは、ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシー(TNC)と提携して、10,000 エーカーの湿地帯を復元して強化し、121 億ガロンの洪水貯水容量を地域社会に提供します。エコラボは、ルイジアナ水シナジープロジェクト(LWSP)の参加企業です。LWSP は、ミシシッピ川下流域の 20 社を超える企業と協力して、給水、水質、雨水、沿岸の回復力に関する幅広い問題に対処しました。2025年には、洪水や浸食を防ぐための土嚢として活用するため、余った大容量の袋を自治体に寄贈しました。 

地域でのウォーター・スチュワードシップの取り組みに加え、エコラボの世界的な寄付プログラムである「ソリューション・フォー・ライフ」は、TNC やプロジェクト WET 財団とのパートナーシップ、その他のプロジェクトを通じて、淡水を保全・保護する当社の使命を着実に果たしています。2026年初頭には、エコラボのガリービル施設の従業員が、地元の数学・科学のマグネットスクールと協力し、エコラボのプロジェクト WET 従業員活動ガイドをもとに、水と保全活動を主導する予定です。 


このケーススタディは、AWS の指標 5.1.1、5.2.1、5.3.1. 5.4.1、5.4.2、5.5.1、5.5.2、5.5.3 に準拠して作成されています。詳細については、sustainability@ecolab.com までお問い合わせください。

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