医薬品製造における洗浄バリデーションの重要性

洗浄バリデーションは、設備洗浄の有効性を確認し、最終的には API および完成品の安全性と完全性を保証するうえで、必要不可欠です。  

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汚染物質のない製品を製造するためには、十分に文書化され、オペレーターが理解して、一貫して実行される洗浄手順が非常に重要です。汚染物質は、ある製品バッチから次の製品バッチへのキャリーオーバー(医薬品または API)や、洗浄剤、微生物、あるいは空気中の粒子や原材料などの他の物質によってもたらされます。つまり、製品および製品以外の汚染物質を除去するために洗浄が行われます。洗浄プロセスは、検証された分析方法、すなわち、実用的で達成可能かつ検証可能な方法を用いて検証しなければなりません。

バリデーションには、プロセスが所定の仕様と品質特性を満たす製品を一貫して製造することを証明する、文書化された証拠が含まれます。洗浄バリデーションとは、一連の設備および / または設備の一部を、所定の許容範囲内で、再現可能な方法で確実に洗浄できることを保証する文書化された証拠のことです。監査への対応を確実にするためには、洗浄プログラムとその効果を厳密に文書化する必要があります。


「洗浄バリデーションとは、承認された洗浄手順により、設備で使用された以前の製品や洗浄剤が、科学的に設定されたキャリーオーバーの最大許容値以下で、再現可能な方法にて除去できることを文書化した証拠のことです。」

- 医薬品の GDP に関する PIC/S ガイド、Annex 15 必要条件およびバリデーション


洗浄バリデーションが必要な場合とは?

洗浄バリデーションは、製品の接触面から除去する必要がある残留物の可能性に影響を与えるような製造上の変更があった場合は、常に必要となります。これらの変更には以下のものが含まれますが、これらに限定されません。

  1. 新しいプロセスおよび / または設備
  2. 洗浄方法の変更
  3. 製剤過程における変更
  4. 設備の変更(論理的変更や機械的変更など)
  5. 水質および / またはユーティリティ設備の変化
  6. 洗浄剤の変更
  7. 原材料の組成における変更 


洗浄バリデーションが不要な場合とは?

以下の場合は洗浄バリデーションは必要ありません。

  1. 設備がひとつの製品に特化している
  2. 使い捨ての機器および / または部品を使用している
  3. 同じ製品バッチの生産の合間の洗浄


「同じ製品のバッチ間(またはバルクプロセスにおける同じ中間品の異なるロット間)でのみ洗浄プロセスが使用される場合、設備が『目視確認で清潔である』という基準を満たすのみでよくなります。このようなバッチ間の洗浄プロセスでは、バリデーションは必要ありません。」

- 洗浄プロセスのバリデーション、7/93、FDA


しかし、FDA 21 CFR 211.67(a) は、専用設備や多目的設備を含むすべての設備について、「医薬品の安全性、同一性、強度、品質または純度を、公式あるいはその他の確立された要件を超えて変化させるような故障や汚染を防ぐために、医薬品の性質に応じて適切な間隔で洗浄、メンテナンス、除菌および / または滅菌を行う」ことを義務付けています。

洗浄バリデーションのプロセスに必要なこととは?

洗浄バリデーションは、洗浄手順が再現可能な方法で信頼できるものであることを保証するための体系的なアプローチです。洗浄バリデーションのプロセスには、以下のような一連の文書化された証拠が必要ですが、これらに限定されません。

  1. 企業の洗浄バリデーションに関するポリシー
  2. 洗浄バリデーションのマスタープラン 
  3. 洗浄手順には以下のようなものがあります。
    • 生産終了から洗浄手順を開始するまでの時間
    • 医薬品、製造システム、または機器ごとに使用する洗浄手順。  これらの手順は、生産部門と品質部門の間で調整がとれている必要があります。  洗浄手順は、医薬品、仕掛品、または原材料(RM)の製造、細分化、またはサンプリングに使用される製品接触機器に適用されます。この機器は洗浄しなければならず、以下が必要となります。
      • チェンジオーバー洗浄
      • キャンペーン中のインターバル洗浄(必要に応じて)
      • キャンペーン終了時の専用機器の洗浄
  4. オペレータートレーニング
    • 目視検査
    • サンプリング手順(スワブ / すすぎ)
    • 洗浄ステップ
    • 洗浄液の準備
    • 年に 1 度の視力検査
  5. 洗浄バリデーションのプロトコル
    • サンプリング方法の論理的根拠を含むサンプリング手順。
    • 明確に定義されたサンプリング場所。
    • 回復研究に関するデータ(必要に応じて)。
    • 検出限界と定量限界を含む分析方法。
    • 具体的な限界を設定する論理的根拠をはじめとする判定基準。
    • 概要レポート
    • 洗浄プロセスを定期的に監視する定期レビュープログラム

洗浄バリデーションが定期的に行われなかった場合の影響は?

最終製品の安全性、同一性、強度、純度、および品質を損なう可能性のある好ましくない残留物により製品が汚染されていないことを保証するため、適切な洗浄バリデーションプログラムを実施することが、世界の規制当局から求められています。過去 5 年間の規制当局による検査結果を見ると、洗浄バリデーションに関連した指摘事項は常にトップ 5 に入っています。最初に洗浄バリデーションを正しく実施するためにかかるコストは、規制当局からの指摘に応じて実施する洗浄バリデーションのコストに比べるとはるかに低くなります。極端な例では、適切な洗浄バリデーションプログラムが実施されていないために、製造現場がただちに閉鎖されることもあります。

エコラボの洗浄バリデーションの専門家たちが、お客様のバリデーションを成功させるための方法とは?

エコラボ ライフサイエンスには、資格と経験を備えた対象分野の専門家(SME)チームがあり、お客様の洗浄バリデーションのニーズを満たすため全力で支援します。エコラボのテクニカル SME は、既存の洗浄バリデーションプログラムを最適化するか、または新たなプログラムを開発することにより、お客様をサポートすることができます。さらに、エコラボの技術チームは、洗浄バリデーションプログラムが安全で効率的、かつ規定に準拠しているよう徹底するため、エンドツーエンドの洗浄バリデーションサポートを提供します。


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エコラボ ライフサイエンス

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