安全性とサステナビリティの力を実証 〜 民間エネルギー会社との取り組み
背景
メキシコ最大級の民間エネルギー会社ともなれば、エネルギーを可能な限り安全かつ持続可能な形で提供することは避けて通れない優先課題。地元のある発電所の例を見ると、彼らがそれをどう取り組みのなかで実践してきたのかがよく分かります。
このプラントは、発電のプロセスを都市排水に依存しています。それまでは、冷却塔や逆浸透(RO)システム(不純物をろ過で除去するシステム)で使用できるレベルのきれいな水にするため、塩素ガスを使用して汚染物質を取り除いていました。このアプローチによって微生物の増殖は抑えられていたものの、大量のバイオサイドを要するうえ、塩素ガスボンベを毎週交換しなければならず、またその作業がリスクを伴うため、2人の人員を確保する必要がありました。
さらに、バイオサイドを広く使用していたことから、逆浸透膜のパフォーマンスと排水ろ過能力に悪影響が出ており、 そのためプラントでは年に 6 日間 RO システムをオフラインにしてシステムを洗い流す作業を行っていました。そして、それが生産上のロスを招いていたのです。当時のプラントは、環境と、作業員の安全、生産性の面でより優れた前処理ソリューションを必要としていました。
技術革新
そこで、エコラボ系列会社ナルコ ウォーターが勧めたのが、水を安全かつ確実に消毒・処理することのできる Purate™ 二酸化塩素プログラム。Purate™ では、大量のバイオサイドを使用することなく水質を維持し、オンライン監視システムを使ってリアルタイムで水質の変動を修正できるようになっています。 Purate™ は、プラントの総合的な水処理アプローチのひとつとなるもので、 そのなかには水とエネルギーの効率的使用を促すエコラボのもう 2 つのデジタルソリューション – 冷却水 / ボイラー / 水処理膜に用いる 3D TRASAR™ 技術と、熱伝導を最適化して信頼性を確保する OMNI™ プログラム – が含まれています。
効果
Purate™ 技術に切り替えた結果、プラントのプロセス水の質は向上し、バイオサイドの使用量が大幅に減りました。また、エネルギーの使用量とコストも低減。さらに毎週のガスボンベ交換が不要になり RO システムの洗い流し作業が少なくなったことで、安全性と生産性が向上しました。こうした効果はすべて、安全で持続可能な形で顧客のニーズを満たしながら事業が環境に与える影響を最小限に抑えるという、プラントのコミットメントをサポートするうえでも役立ちます。
Purate™ 技術に切り替えた結果、プラントのプロセス水の質が向上しました。
年間節約額
エネルギー
エネルギー消費削減量
2,800
MWh
コスト
化学薬品使用量削減による節約
$136,000
温室効果ガス
2,000
メートルトン
生産性
ガスタービンで利用できる水の量が増えたことによる利益
$41,000
アセット保護
塩素処理システムのメンテナンスを排除し、RO の洗浄を 60% 削減したことで実現した節約
$30,000
人の健康と安全性
従業員の安全性が向上したことで
$58,000
の対 PPE 支出低減
もたらされた価値の合計
$265,000