フランスを拠点とするデルモコスメティクス大手のある多国籍企業は、スキンケアクリーム製造後、プロセス機器のクリーニングを最適化するソリューションを探していました。この洗浄が困難なクリーム（酸化チタンとシリコンを含む油中水型の乳剤）は、従来の手順で許容できる洗浄基準に戻すのに 8 時間以上かかり、しかも 14,000 リットル近い水を消費していたのです。

コンプライアンスに適合しているとはいえ、洗浄時間が長く水の消費量が多いため、理想的な結果とは言えませんでした。そこで、現行の機器を活用しながら、水の使用量とダウンタイムを減らすためのソリューションが必要でした。

エコラボの技術専門家が現地に赴き、お客様の業務を評価して、オペレーション効率を向上させる機会がどこにあるのかを調べました。その結果、原料を混ぜて浸漬する現在の初期段階でのクリーニング方法では、大量の水を消費し、洗浄にかかる時間も長くなることを突き止めました。

エコラボはこの訪問後、汚れのサンプルを分析し、最適な洗浄剤を特定するため、工場のパラメータ条件下で実験室規模の試験を実施しました。その結果、エコラボの MCL B が理想的なソリューションであることが分かりました。これは、化粧品業界でよく見られる顔料の汚れやミネラル含有プレミックスを除去するアルカリ性洗浄剤です。

お客様の現行のクリーニング工程と比較して、分散特性に優れており、ミネラルを含む汚れを短時間で落とす、高い洗浄パフォーマンスを発揮します。

提案したクリーニング工程は、試験的に現場に導入されました。この試みでは、ラボ環境で観察された結果が問題なく再現され、従来のクリーニング工程を置き換えることになりました。

MCL B の導入により、お客様はクリーニング作業の最適化による効果をいち早く実感し、さらなる効果を生み出すことができました。

この工程だけでクリーニングコストを年間 $50,000 削減し、水の使用量を年間 114,000 リットル低減することができたのです。MCL B の導入によるダウンタイムの削減で、63 時間の稼働時間を得たため、年間 10 バッチ分の追加生産が可能となりました。