高齢化社会における食品衛生の改善
高齢化社会
国連の世界人口の高齢化 2015 年度報告書1によると、2050年までに世界の 4人に 1 人は、60 歳を超える人が総人口の 30 パーセント以上を占める国に住むことになります。世界人口の高齢化が進むと同時に、高齢者福祉施設を衛生的な環境に保つことが求められています。
高齢者福祉施設を衛生的な環境に保つための重要な要素の一つは、安全な食品を確実に提供することです。人口比率から見ると、乳幼児は食品関連の病気にかかる確率が高いといえますが、米国食品安全機関2によると、65 歳以上の大人は「食中毒による入院および死亡のリスクが高い」とされています。また、「介護施設に住む高齢者は、細菌性胃腸炎による死亡の可能性が一般集団と比較して 10 倍に上る」とされています。
この問題は東南アジアで特に顕著で、世界保健機関は食品媒介疾患の負担が最も高い3地域の一つと報告しています。世界的に見ると、ノロウイルスは先進国において重大な疾患をもたらしています。主に食中毒あるいは「胃腸炎」として知られるノロウイルスに感染すると、通常は嘔吐や下痢、胃腸の不快感を引き起こします。国立感染症研究所4によると、日本における2016年のノロウイルスの感染は過去 10 年間で最大の規模となりました。
家族のつながり
1923年に設立されたエコラボでは、高齢者向け施設が高い食品衛生基準を達成できるようお手伝いします。当社のテクノロジー、サービス、監査、トレーニング、情報、実行可能なレポートを活用した包括的アプローチにより、高齢者向け施設における食品衛生に関する課題を予防・解決します。
清潔で健康的な高齢者施設の環境を整えることは、エコラボ・インスティチューショナル事業部のディストリクトマネジャーである久保田大介氏にとっても重要な課題です。久保田氏の家族も専門的な介護が必要となり、施設に入居しています。
エコラボの高齢者福祉施設向けソリューションの重要性を改めて認識することができました。エコラボでは、食器洗浄、ランドリー、ハウスキーピングなど、高齢者福祉施設のニーズに適したソリューションを提供しています。厨房では食品衛生レベルを高めるソリューションを提供しています。
エコラボ ディストリクトマネジャー、久保田 大介
包括的なアプローチ
エコラボのソリューションには、従業員の衛生習慣の改善、食品の加工や調理、提供に使用される設備の消毒に役立つ製品のほか、あらゆる表面を清潔に保つための洗剤などが含まれます。 エコラボのソリューションには以下が含まれます。
- Nexa™ 手指消毒剤システム:一般用ハンドソープ、薬用ハンドソープおよび手指消毒剤。サステナビリティに配慮した詰め替えボトルにより、廃棄物を最大 90 パーセント削減します。
- Aquanomic™ ランドリープログラム:水とエネルギーの使用量を最大 40 % 削減しながら、白く清潔で、柔らかなリネンを提供します。スマート洗濯プロセスは、洗浄の手順と水の使用量を減らし、水温を下げて洗濯します。
「感染の 80 パーセントは手を経由すると推定されており、手指の衛生の改善は当社が重視する課題の一つです。」とエコラボの食品衛生および公衆衛生担当副社長であるルース・ペトラン博士は述べています。「あらゆる分野の市場にわたって、エコラボの手指衛生ソリューションは年間 340 億の手を清潔にし、感染や食中毒の拡大防止に貢献しています。また、エコラボはレストランの厨房を清潔に保つことで、450 億もの食事を安全に提供するべく力を尽くしています。