Semiconductor circuit board production using high-precision tool

半導体製造工場、プロセス真空(PVAC)処理プログラムで計画外メンテナンスを 95% 以上削減し、年間 $85,700 を節約 

背景

米国を拠点とする半導体製造工場では、液封式プロセス真空(PVAC)システムの運転とメンテナンスにおいて、主に細菌汚染という長期的な課題に直面していました。特に、製造工場のバイオフィルムには腐食による副産物である鉄分が多く含まれていました。 

このような汚染が熱伝導効率とシステムのパフォーマンスに影響を及ぼし、熱交換器を除染するために頻繁な計画外のメンテナンスが必要でした。メンテナンスの頻度は半年に一度から四半期に一度、時には月に一度ということもありました。このお客様はこうした問題を解決すべく、ナルコ ウォーター チームに協力を仰ぎました。 

根本原因の分析 

ナルコ ウォーターのチームが現場でお客様とともに調査した結果、熱交換器内にかなりのレベルのスライム形成バクテリアが見つかりました。これは、輸送中の腐食防止のために製造時に添加されたユニット内の鉱油が原因でした。 

新しい PVAC ユニットの設置の際、工場の生産需要の高まりに対応するため、オイルの除去や内部表面の洗浄に十分な時間を費やすことなく、立ち上げが急速に行われました。オイルで汚染されたユニットが稼動して、各運転段階の圧縮ステップでユニット全体にオイルが広がっていきました。これにより、鋳鉄筐体の表面にオイルが蓄積したのです。水とオイルの界面はバクテリアの繁殖には絶好の場所となるため、オイルがユニット全体に沈殿すれば細菌の増殖を引き起こす原因となります。 

もうひとつの要因は、各 PVAC ユニットを順にローテーションしなかったことでした。工業施設では多くの場合、複数の PVAC ユニットを有していますが、運転するのは 1 つのユニットだけで済むことがあります。その際、停止しているユニットの内部では流動性がなくなるため、交換器内でバクテリアの増殖が進む可能性があります。停滞した水環境は微生物の増殖に最適です。 

チームは最後の段階として、システムに使われる金属について総合的に調査しました。バイオフィルムには多量の鉄が含まれていましたが、化学的防食プログラムでは、すべての接液金属を確実に保護しなければなりません。システム内の鉄レベルは、時には 30ppm にも達し、その結果、システム内の水は定期的に赤くなっていました。 

ソリューション

ナルコ ウォーターでは、ソリューション開発プロセスにおいて、機械・操作・化学的アプローチを統合的に用います。これらの問題を解決し、今後の発生を防ぐために実施される具体的な手順を次にご紹介します。 

機械的/操作的アプローチ 

  • 新しい PVAC ユニットを稼働させる前に洗浄し、鉱油の痕跡をすべて除去。 
  • お客様側のスタッフに対し、PVAC ユニットの適切なメンテナンスに関する 4 時間のトレーニングを実施 
  • 機器を適切にローテーションするよう、各 PVAC ユニットの最大稼働時間を 1 週間に設定 
  • すべての PVAC ユニットの運転パフォーマンスを、ECOLAB3D™を搭載したサービスインテリジェンスによって監視。工場担当者は、ここで得られたシステムデータをもとに、追加の是正措置が必要性となる、ユニットが仕様を逸脱して作動する状況を特定しました。 

化学的アプローチ:微生物制御 

チームの最優先事項は、微生物による汚染を解決することでした。ナルコ ウォーターの Selecticide™テストをもとに、チームは潜在的効果が最も高く、運用上のリスクが最小限の殺生物剤を選択しました。このテストは、特定の用途におけるシステム水の各種サンプルを対象にさまざまな殺生物剤の効果を比較し、各サンプルにおける微生物数の減少を評価します。そのテストの結果により、推測に頼らずに、特定のシステムにおいて最適な殺生物剤と投与量を特定することが可能になります。 

化学的アプローチ:腐食防止 

鉄の腐食を最小限に抑えるために、腐食抑制化学薬品をプログラムに追加しました。 

結果

交換器はプログラムで取り換えられるごとにチェックが行われました。熱交換器は 2 年間で 8 回取り出されましたが、そのたびにバイオフィルムは目に見えて減少していることが確認されました。 

ナルコ ウォーターのソリューションを導入する前は、洗浄頻度は月 1 回、四半期ごと、半年ごとと変動していました。今日この工場では、熱交換器洗浄のための計画外の操業停止は、21 年間でゼロという記録を維持しています。この洗浄頻度の減少により、年間 $42,850 の人件費節約に加え、年間 $42,850 の化学薬品洗浄コスト節約を実現しました。 

さらに、システム水中の鉄レベルは、以前の最高値 30ppm(活発な腐食)から 0.02~0.8 ppm へと 97% 減少しました。強化された腐食保護によりお客様のシステム稼働時間と、各 PVAC ユニットのメーカー予測資産寿命をを最大限に伸ばします。 

この記事では年間のコスト削減について詳しく説明していますが、コスト削減を維持することで価値が向上するという点が重要です。継続的なサポートと、計画外洗浄を 21 年間ゼロにしたことで、お客様は総額 180 万ドルのコスト削減を実現しました。

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eROI by Ecolab logo

年間節約額

  • Profitability eROI icon

    収益性
    年間 $42,850*

    洗浄にかかる人件費の削減

  • eROI Cost icon

    コスト
    年間 $42,850*

    化学薬品洗浄コストの削減

  • eROI Asset Icon

    資産
    97%*

    システム水中の鉄レベルの低減

  • もたらされた価値の合計:
    年間 USD $85,700 

*クライアントによって提供されたデータ

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