ライフサイエンス分野に関する規制の最新動向
エコラボのチームは、医薬品およびパーソナルケア用品製造業に関する規制の動向を常に注視しています。
エコラボのチームは、医薬品およびパーソナルケア用品製造業に関する規制の動向を常に注視しています。そして過去 6 か月にわたり、当社の事業に関連する FDA 483 の所見について考察してきました。FDA 483「査察所見」フォームは、FDA が査察時の所見を文書で通知するためのフォームです。
メーカーにとって、483 の所見で指摘された問題点への対応はコストと時間を要する作業です。通常は、指摘された内容に対応するため社内で新たにチームを結成し、従業員や施設、設備など必要なリソースをすべて用意しなければなりません。外部のコンサルタントに依頼することもありますが、費用が高額になりがちです。そして、改善、トレーニング、工程の精査と再設計、テストと再テスト、工程の導入、会議などに膨大な時間を費やすことになるでしょう。
さらに、評判の悪化、配送の休止による収益の低下、新薬の承認・販売への影響、 そしてこの機会を利用しようと狙う競合他社の動向も考慮しなければなりません。
下記は、クリーンルームやパーソナルケア用品の製造に関して、(過去 6 か月間で)FDA の規則違反が最も多く見られた分野です:
- 清掃手順の不十分なバリデーション - 所見 37 件
- 除菌製品の不十分なバリデーション - 所見 8 件
- 不十分な洗浄 / 消毒(不十分な清掃手順を含む)- 所見 31 件
- 残留性の問題 - 所見 17 件
各項目の詳細
清掃手順の不十分なバリデーション
規制当局は、清掃手順のバリデーションが不十分な企業に対し、交差汚染防止および自社製品や洗浄剤の残留物除去に対する措置を示すよう要求しています。
「現行の清掃手順が十分であることを示す科学的根拠がない。」
「分解物の蓄積やキャリーオーバーを防ぐために機器の洗浄を適切な間隔で実施していることを示す科学的根拠が提示されなかった…」
「清掃手順について、その有効性と、同じ処理装置・器具を用いて製造された異なる種類の製剤および化粧品に起因する製剤汚染および交差汚染のリスクを最小限に抑える機能のバリデーションが行われていない。」
除菌製品の不十分なバリデーション
同じ期間中に、除菌剤のバリデーションが不十分だという所見が 8 件ありました。除菌剤の不十分なバリデーションに関する所見が比較的少ないことから、一般に企業が除菌剤のバリデーションに求められている内容を理解している一方で、清掃手順そのもののバリデーションについては苦心している可能性があることが分かります。
不十分な清掃 / 消毒(不十分な清掃手順を含む)
さらに、同じ期間中に不十分な洗浄および洗浄手順に関する所見が 31 件あったことから、製造施設における洗浄のバリデーションと実際の手順に関して、FDA が問題点を見出したことは明らかです。
「洗浄とメンテナンスの作業で用いる方法、機器、資材の詳細に関して、機器の洗浄とメンテナンスの手順が不十分である。」
「清掃手順の文書に記載されている詳細が不十分なため、例として結果の再現性や一貫性が保証されない。」
残留性の問題
残留物に関するその他 17 件の所見を見ると、残留物の管理についてメーカーは、製造施設の洗浄と除菌に使用する適切な製品の選定を含め、適切なガイダンスを用意しなければならないことが分かります。
エコラボ ライフサイエンスによるサポート
483 への対応は費用がかさむ可能性があります。そこでエコラボは、その費用をできるだけ抑えられるよう、先に挙げた分野について清掃、除菌、汚染防止に関する規制要件への対応をサポートします。
エコラボのチームは、お客様の清掃と除菌のプロセスを最適化し、査察に対応できる状態にするために必要な技術とバリデーションに関するサポートを提供します。また、交差汚染や残留物のリスク軽減に最も適した薬剤やパラメータの選定をお手伝いすることで、お客様が患者様の安全、コンプライアンス、オペレーション効率の向上を確実に実現できるよう支援します。