Two Ecolab associates working in the grass at Mexico Plant Certified as Water Stewardship Leader

エコラボのクアウティトラン・イスカリ工場(メキシコ)がウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定

アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)基準導入のケーススタディ

背景

メキシコ、メキシコシティ近郊のクアウティトラン・イスカリにあるエコラボの製造施設は、主に工業用の洗浄・除菌化学製品を製造するブレンド工場です。クアウティトラン・イスカリの施設では、クアウティトラン・パチュカ帯水層を水源としています。処理後の排水は、クアウティトラン川に流れ込む公営の下水設備に排出されます。ハイリスクな製造施設全体における水管理に対して、エコラボは包括的な取り組みを進めています。その取り組みに沿って、当社はクアウティトラン・イスカリ工場でアライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)国際水基準を導入しました。

 

背景

エコラボのクアウティトラン・イスカリ工場のチームは、製品 1 トン当たりの水使用量を2021年の基準値から 5% 削減するというチームの目標を達成するため、オペレーション全体で水の使用量を削減する機会を評価しました。その結果、水を削減できそうな部分は、貯蔵タンクと生産用タンクにおける洗浄、バルブのアップグレード、施設全体の予防メンテナンスであることが分かりました。これらの水削減のチャンスに優先順位を付けるには、コーポレート・サステナビリティ部門とクアウティトラン・イスカリにおけるエンジニアリングおよび安全衛生環境チーム全体の協力が必要でした。

総合的なリスク評価は、エコラボのスマート・ウォーター・ナビゲーター、世界資源研究所(WRI)の Aqueduct Atlas および WWF 水リスクフィルターから得られた知見を活用して実施され、共通の水問題と施設レベルの水問題を特定しました。取水量削減プロジェクトの実施は、リスクの確率と施設レベルおよび地域の利害関係者への影響に基づいて優先されました。AWS 基準の 5 つの成果のうち、クアウティトラン・イスカリ工場は、施設への関連性とリスクのバランスを考慮し、持続可能な水収支、良好な水質状態、好ましい水管理に焦点を当てました。

Cuautitlan Izcalli Case Study numbers

地域の水域の全体的な健全性を向上させる目的で、また、エコラボの2030年インパクト目標の一環として、当社は事業を展開するハイリスクな水域で AWS 認証取得を優先しています。

AWS Certification Plant Imagery

年間合計 760 万ガロン(2,900 立法メートル)の水を削減。リスク調整後のコスト削減額 $74,000 に相当。

ソリューション

以下のプロジェクトは施設の水バランスの改善に役立つものであり、全体的な水の使用量を削減するために完了しています。

  • オペレーション全体で使用するための雨水の収集と浄化システムの導入
  • スプレーボールを交換し、洗浄効率を最適化
  • 処理設備の洗浄工程の最適化
  • 逆浸透膜や脱イオンシステムの再生に使用する水の削減
  • 高効率なバス・トイレ設備とバルブの導入

今後の強化策として、以下のプロジェクトが検討されています。

  • 洗浄水の消費量を削減するため、さらなるスプレーボールを交換
  • 排水をリサイクルして工場内で再利用できるようにするため、排水処理を改善
  • シンクの水損失を削減するため、バルブをアップグレード

これらの取り組みにより、クアウティトラン・イスカリ工場では、前年比で水の使用量を 5% 削減するという目標に向けて着実に前進しています。

 
Map of Ecolab’s Cuautitlán Izcalli, Mexico Plant

パフォーマンス

結果: 年間合計 760 万ガロン(2,900 立法メートル)の水を削減。リスク調整後のコスト削減額 $74,000 に相当。

経済効果: 製品 1 トン当たりの水使用量を2020年の基準値から 20%、2021年の基準値から11%(年初来)削減

 

水管理

工場レベルでは、安全衛生環境マネジャーは排水試験とコンプライアンスに対する責任があり、廃水の排出について説明責任を負っています。工場のメンテナンス責任者は、汚水の排出、水消費量のコントロール、節水プロジェクトを担当し、排水処理プラント、軟水・脱イオン水および雨水収集システムの運用に説明責任を負います。

工業用水と排水の水質を良好に維持するため、工場内で毎日水質検査を行うほか、3 か月ごとに外部業者による排水検査も実施されています。排水に含まれるコロイドや沈殿物、危険物を除去するため水処理が行われます。流出や水関連の問題が発生した場合、同工場には問題に対するしっかりした対応計画があり、最初の事故の根本原因の分析、経営陣によるレビュー、内部報告プラットフォームでの文書化、月例の工場会議における緩和策についての話し合いなどが含まれます。この施設では過去 1 年間、水に関する違反はありませんでした。

サステナビリティ・チームは、エコラボの上級ビジネスリーダーと部門責任者で構成されるサステナビリティ・エグゼクティブ・アドバイザリー・チームの指導と助言を受けています。さらに、エコラボのウォーター・スチュワードシップのポジション安全衛生環境(SHE)のポジションは一般に公開されており、水関連の問題やコンプライアンスに対するエコラボの取り組みおよびガイダンスの役割を果たします。ウォーター・スチュワードシップを推進するエコラボの立場は、責任あるウォーター・スチュワードシップに対するエコラボの世界的な取り組みを正式に表しており、ビジネスやコミュニティ、そして環境に利益をもたらす方法で水資源を使用する機会を、エコラボとそのお客様に示しています。エコラボの SHE ポジションは、グローバルな事業活動における、安全衛生環境に関する優れた実践とパフォーマンスへのエコラボのコミットメントを示すものです。

 

ウォーター・スチュワードシップのこれまでの経緯

工場内でのオペレーションの改善に加え、エコラボのクアウティトラン・イスカリ工場は、外部でのウォーター・スチュワードシップ活動も継続的に行っています。工場と、関連する地域の利害関係者に共通の課題としては、水不足、水関連プロジェクトのためのインフラや資金、水質などが挙げられます。こうした共通の課題に対処するため、エコラボは流域内の他の水利用者とも連携しています。クアウティトラン・イスカリ工場のチームは、AWS 認証を取得するまでの道のりを、流域内の 30 を超える企業、非政府組織、政府機関と共有してきました。また、エコラボはクアウティトランの企業連合の一員であり、地域の安全イベントに取り組んでいます。水に関わる重要な地域の健全性に貢献するため、メキシコのクアウティトラン・イスカリとレルマの工場から 100 名のボランティアが、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)および ProNatura と協力し、2019年にメキシコシティのサン・アンドレス・トトルテペックに 2,000 本の木を植えました。

今年9月には、クアウティトランとレルマの施設から 90 名を超えるボランティアが、メヒコ州ウイスキルカンのピエドラ・グランデで、低所得家庭のために移動式貯水タンクを設置する活動に参加しました。この貯水タンクは、人の飲食や、動物や食糧の生産に使用する水を貯え、ろ過することができます。このボランティア活動は、20 軒の家庭と 200 人を超える人々の支援につながります。

地域のウォーター・スチュワードシップの取り組みに加え、エコラボのグローバル寄付プログラム「ソリューション・フォー・ライフ」は、TNC およびプロジェクト WET 財団という 2 つの世界的な NGO とのパートナーシップを通じて、淡水を保全・保護する当社の使命を着実に果たしています。

ケーススタディをダウンロード

このケーススタディは、AWS の指標 5.1.1、5.2.1、5.3.1. 5.4.1、5.4.2、5.5.1、5.5.2、5.5.3 に準拠して作成されています。より詳しい情報は、sustainability@ecolab.com までお問い合わせください。

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