エコラボのシティ・オブ・インダストリー工場(カリフォルニア州)がウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定

エコラボのシティ オブ インダストリー工場(カリフォルニア州)がウォーター・スチュワードシップのリーダーに認定

アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)のケーススタディ

背景

カリフォルニア州シティ・オブ・インダストリー(COI)にあるエコラボの製造施設は、主に工業用の洗浄・除菌化学製品を製造するブレンド工場です。南カリフォルニア、サンガブリエル流域に位置する COI 工場は、北カリフォルニアとコロラド川を水源とするロウランド水域から供給される水に依存しています。

エコラボは、製造施設全体の水管理に包括的に取り組んでおり、2016年に COI 工場でアライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)国際水管理基準を採用し、2020年にはバージョン 2.0 を導入しました。当施設では、コア認定を維持するために、AWS の要件に関する最新情報を常に把握しています。


背景

エコラボの COI 工場のチームは、製品 1 トンあたりの飲料水の使用量を、2022年までに2018年の基準値から 13% 削減するという目標を達成するため、業務全体で水の使用量を削減する余地があるか、同施設を査定しました。水削減の可能性として特定されたものには、洗浄プロセスおよびマトリックスの最適化、洗浄研究の結果をふまえた行動の変化、漏水の検出と修理、環境プロジェクトを特定し優先順位を決める正式なサステナビリティ部門チームの立ち上げなどがあります。

水削減の影響、ソリューションに必要な資本および運営コストをチャート化するため、実現可能性調査が行われました。また、工場の水リスクを理解するためにエコラボの Water Risk Monetizer も活用されました。節水を達成するため、工場全体で節水プロジェクトが優先的に実施されました。AWS 基準の 5 つの成果のうち、COI 工場は持続可能な水収支と良好な水質状態に重点を置いており、今後は安全な水と公衆衛生(WASH)の実践に力を入れていく予定です。

water savings infographic

地域の水域の全体的な健全性を向上させる目的で、また、エコラボの2030年インパクト目標の一環として、当社は事業を展開するハイリスクな水域で AWS 認証取得を優先しています。

AWS Certification Plant Imagery

年間平均 850,000 ガロン(3,200m3の水を削減。リスク調整後のコスト削減額 $17,000 USD に相当。

ソリューション

以下のプロジェクトは施設の水バランスの改善に役立つものであり、全体的な水の使用量を削減するために完了しています。

  • 洗浄プロセス、スケジューリング、行動の最適化により、毎年約 430 万ガロン(16,194 m3)の水使用を削減。 (2021年完了)
  • 水漏れの検出と修理に焦点を当てた改善イベントを開催し、年間 6,500 ガロン(25 m3)の節水を実現。 (2021年完了)
  • サステナビリティの重要業績評価指数(KPI)の作成、サステナビリティプロジェクトの特定と優先順位付けに焦点を当てた、サステナビリティセクターチーム(SHE Pillar)の立ち上げ。このチームは、「総合生産保全(TPM)」の手法を採用し、サステナビリティの発展に全力で取り組みます。
  • ボトル洗浄機をアップグレードすることにより、年間 42,000 ガロンの水の使用量を削減(2023年完了)。

現在進行中のプロジェクトは以下のとおりです。

  • RO を再利用するプロジェクトで、120 万ガロンを削減
  • ソーラーパネルを設置し、電力消費量の 87% を相殺。
  • 空気漏れを削減するプロジェクトにより、$64,000 の電気代を節約する見通し。

Ecolab's Carson, CA, Plant Location

パフォーマンス

  • 水に関わるポジティブ・インパクト | 年間平均 850,000 ガロン(~3,200 m3)の水の使用量を削減することにより、2022年の製品 1 トンあたりの水使用量を2018年の基準値から 9% 削減。
  • 経済効果 | リスク調整後の平均年間コスト削減額は $17,000 USD 
Graph showing water withdrawal  and water intensity decreasing from 2018 to 2022

水管理

工場では、安全衛生環境(SHE)部門が排水コンプライアンスを担当し、SHE マネジャー がその責任者を務め、工場管理者が最終責任を負います。規制の最新情報や排水コンプライアンスに関するお問い合わせは、エコラボの環境責任者までご連絡ください。さらに、SHE マネジャーは pH 監視の最終責任を負います。施設の生産管理者は排水と PH の監視を行います。

全社レベルでは、会社の最上級のビジネスリーダーと部門責任者で構成されるサステナビリティ・エグゼクティブ・アドバイザリーチームが、サステナビリティ・チームを指揮します。さらに、エコラボのウォーター・スチュワードシップのポジショングローバル SHE のポジションは一般に公開されており、水関連の問題やコンプライアンスへの取り組みおよびガイダンスとして機能します。 現場における水関連のコンプライアンスに関する情報は、ご要望に応じて提供可能です。

エコラボは2020年、国連グローバルコンパクトの CEO ウォーター・マンデートによる業界主導の取り組みである Water Resilience Coalition への加盟を発表しました。この連合は、水不足の地域における集団行動および意欲的かつ数値化可能なコミットメントを通して、世界の水ストレスを企業の最優先課題に押し上げ、世界中の真水資源を守ることを目的としています。


ウォーター・スチュワードシップのこれまでの経緯

社内の業務改善に加え、エコラボ COI 工場のウォーター・スチュワードシップ活動も継続して行われています。工場と関連する利害関係者の間における共通の課題としては、既存の水源の積雪量が減少したことによる水不足、水インフラの老朽化、都市部における水の流出、地震や洪水などの災害に対する脆弱性、湿地の喪失や種の絶滅などがあります。こうした共通の課題に対処するため、エコラボは流域内の他の水利用者と連携しています。その 1 つがカリフォルニア州カーソンにある AWS 認定を受けたエコラボの工場です。

COI 工場は水道事業者である Rowland Water District と連携を続け、共同で貯め水の目標達成に向け取り組んでいます。エコラボの COI 工場は文脈ベース水ターゲティング(CBWT)を採用し、ウォーター・スチュワードシップの成果を評価しました。CEO Water Mandate の共同事務局を務める Pacific Institute の協力を得て、エコラボは、Rowland Water District 内で共通の、主要な水問題に対処する文脈ベースの水目標の理解に取り組みました。COI 工場について、文脈ベースで重要な考慮事項を評価する過程で、エコラボはウォーター・スチュワードシップ活動に対してさらに配慮したアプローチを取ることができました。この分析は、エコラボが工場の最優先課題で最大の成果をあげるため、最も効果的なリソースの使用方法を決定する際に役立ちました。COI は2020年11月、Rowland Water District に工場の進捗状況を伝え、アッパーサンガブリエル流域における共通の水問題に継続して取り組むための機会について話し合いました。

エコラボは、California Water Action Collaborative(CWAC)に関わっており、South Coast working group(CWAC 内)にも参加しています。エコラボチームは毎月の会議に参加することで、カリフォルニア州で共通の水問題と取り組みについて情報を収集しています。エコラボは全社的な補充目標に沿った、地域でともに取り組める共同行動プロジェクトを意欲的に模索しています。

エコラボは、ワシントン D.C. の公共政策水資源グループのメンバーであり、カリフォルニアに重点を置いた水資源政策を提唱しています。エコラボは2023年、複数の講演や AWS の Webinar を通じて同社のウォーター・スチュワードシップ戦略を共有し、他の大規模な多国籍企業に AWS への参加を促すことで、アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップのグローバルな活動を継続的に支援しました。


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